2012/06/21

Cactus Life [ryo]

好きなのにうまく育てられないものにサボテンがある。

ひょんな事から自宅の近くのサボテンマニアのおじさんと知り合う事になった。ホームセンターで展示即売の準備をしていたおじさんだ。
おじさんはどうやら我が家の近くでサボを趣味で高校生から栽培しているらしく、あまり増えたらこうして売りにくるが、ほんとうはこんなもの売るほどのもんではないと謙遜した。

専用ハウスがあるというので見に行きたいというと、快く承諾してくれたので「そちらで買う事も可能ですか?」と訪ねると、「わしは売らない、やる(あげる)」という。そうは言うものの、欲しいものがあったらお金を払って譲ってもらおうと考えていた。

ひと月ほどたち時間が出来たある日の日曜日に約束を取り付けて車で赴いた。驚くほど家の近所でまったくおどろいた。


到着した場所はのどかな村の中の一軒家にビニールハウスが2棟ありサボテンが山ほど飼育されていた。
アフリカ、南米、なんとかかんとか、場所により飼い方が違ったり、一見同じに見えるのに微妙に違いがある、ズラりと並ぶ飼育姿は見れば見るほど全く飽きない。




むしむししたハウスの中でいろいろと浴びせられる僕の質問に、おじさんはひとつひとつ親切にこたえてくれ。その一つ一つを「いるか?いるか?」と譲ってくれた。「サボテンを飼育するのは何度も死なさないとうまくならないよ、だから来年ほとんど枯らしたらまたおいで」と、優しくほほえんでくれた。
申し訳ないやら、こういうおじさんがいるから人間は豊かな気持ちになれるのだなあと、人の優しさにふれた。

そして我が家のテラスにあるテーブルはサボテンの子供たちで非常に見応えがある。毎日一度はこのサボテンをにやにやしながら眺める。老境のじいさんの心境である。


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